ゴールデンウイークという大型連休を終え、その間レジャーを楽しんだ方々や休養へあてた方、コロナも落ち着き久しぶりに帰省した方々も仕事や普段の生活に戻ったことと思います。その間、介護と医療の現場は休みなく稼働している事であり、そこで働く人々へ心からの感謝と尊敬の念を申し上げます。
さてこの度、日本介護事業連合会と全国古民家再生協会とで、急激な高齢化が進む中で懸念される介護施設不足や年々深刻化している空き家問題の解決を実施することを目的に包括連携協定を締結致しました。
今国会で空き家の管理と有効活用を強化する法改正案が審議中であり、新たな法改正に伴う新制度を呼び水に、相互のノウハウを活かした新たな事業モデルを構築いたします。
これにより、両団体は以下の取り組みを行ってまいります。
(1) 地域空き家を活用した小規模介護施設の設立に関すること
(2) 古民家等の活用を通した歴史的資源の保存事業に関すること
(3) 空き家・古民家を活用した高齢者の新たなライフスタイル創設に関すること
(4) 小規模介護施設の設立による介護業界へのモデル事業の提供に関すること
(5) その他、両団体が協議して必要と認める事項に関すること
本協定に関する背景と目的として、現在全国には約846万戸(空き家率13.6%)の空き家があり、そのうちの約5%は放置されたまま何の用途にも供されていない状態となっています(平成30年総務省住宅土地統計調査による)。
この放置空き家の中にはまだまだ地域資源として活用できる物件も多く存在しており、空き家の課題解決には早期の活用が望ましいとされています。
一方、高齢化が進む日本では介護施設の不足も問題視されており、管理・活用に厳しい目が向けられることとなる空き家を地域に根づいた小規模介護施設として活用することは、入居者・親族にも安心感を与えるうえに空き家の有効活用にもつながる新たな手法となります。
また空き家を増やさない工夫も必要となります。高齢者が自宅に住み続けられるようバリアフリーの導入に際しての補助・助成にも積極的に取り組んでまいります。
両団体が互いのノウハウを活用して、上記事業を国内のモデル事業として実証し、国内の事業者・自治体へ展開していくことで、日本の空き家問題・高齢化に関する課題を解決することが可能となります。
一般社団法人 日本介護事業連合会
代表理事 会長 愛知 和男